不敗 鍋入啓蟄神話~一族語り-その玖~
どうもです。木曜日ですね。
今日は買い出しに行って色々買い込んできました。作業のお供にはやっぱり甘い物ですね。
今日は三代目当主雀様の代の語りです。
現状、家の一族で一番仲が険悪な時代です。一族で初の戦死者が出た代ですからね。
残された雀様も玄鳥も口が悪く常に喧嘩腰で、口数が少ないタイプなのですれ違いがちです。
雀様は桃ちゃんと違ってカリスマで引っ張っていくタイプでは無くて、完全に圧で自分に従わせて相手を黙らせるタイプの人なので敵を作りやすい人でしたね。
雀様は桜の代の子達には全員に完全に逆らえない相手だと思われています。本来は愛の深い方なんですが、それを口にする人ではないので伝わることは無かったんでしょう。
見えない努力や気遣いをしてしまう人だと思うので。そういう当主の隠れた努力を表へ出させるのは雷乃と玄鳥の役目で、雷乃は特に雀様の印象が勘違いされないように動いていた子だったと思います。
この代は三人が三人ともお互いの背中を押している代ですね。全員が全員、自分が月で他の二人が太陽に見えている気がします。
雷乃ちゃんと玄鳥は雀様が家族の為に自己犠牲も惜しまない人なのを知っているし、雀様は雷乃ちゃんの明るさや玄鳥の誠実さを知っていて、二人の為にと考えて当主として立っていられるメンタルを保っている気がします。全員割と依存体質な気がするのもこの代です。
でもこの代の弱い所は、誰も互いに悩みを打ち明けたりはしない所ですね。
自分の中に溜めてしまう代です。打ち明ける時は耐えられずに爆発した時です。大体引き金は玄鳥。
雷乃ちゃんが死んだ後も、本来なら直ぐに戦力を増す意味で雀様が二度目の交神をする方向も考えたんですが、家族を自分の不出来で失ったと考えてしまうだろう雀様が自分だけ二度目の交神は絶対にしないな、と思って桜に奉納点を譲る方向で進めました。
玄鳥は玄鳥で雷乃ちゃんが居なくなった後で雷電進言が明らかに増してることを考えると、やっぱり後悔しているんだと思うんですよね。弔いとか、名を忘れないようにするとかの意味があるんだと思うんです。
あたしへの当てつけか!回りくどいやり方であたしを追い立てて何様のつもりだ!と雀様は怒ったでしょうけどね。
ここはコンビというよりトリオでバランスが取れているグループな印象。
だからこそ雷乃ちゃんの欠けが取り返せない溝になってしまった気がします。
雀様は桜と違って、私の為に一緒に死んでくれないかなんて言えなかったんです。自分の人生と添い遂げてなんて欲しくなかった。例え自分だけ犠牲になってでも、日の元で二人に長く生きて欲しかった。
だから代替わりの時、彼女の目標は朱点の討伐でした。家族を生かしてやる為に必死にもがきました。
初めての大江山で朱点に自分の代では辿り着くことができない事を思い知らされて。大事な妹を自分の判断ミスで失って。目標は次世代に託して自分だけずるずる生きて。
大事な物は自分以外だった。そんな彼女の絶望に寄り添ってやれるのは玄鳥だけで。
全てを分かったうえで昔みたいに諦めずに前を向いて欲しいと思いながら、何も言わずに抜け殻みたいな彼女を見つめている玄鳥の姿がこの代の全てだと思います。
玄鳥は雀様に『一緒に死んでくれないか』と言われたら、『お前が俺に付いて来いと命じるなら、地獄の底くらいまでは話し相手になってやるよ』くらいは言いそうな男です。
玄鳥は妹たちを溺愛してはいますが、最後の最後には雀様の手を取る男だと思っているので。
最後は語り用のサムネです。
こんな感じで雀と玄鳥は口論も凄いしガチ喧嘩もめちゃくちゃするイメージ。
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